日蓮正宗美畑山清涼寺 千葉の清涼寺 法華講ホームページ 千葉県千葉市花見川区畑町

日蓮正宗美畑山清涼寺は、千葉県千葉市花見川区にある日蓮正宗の寺院です

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今月の指針11月号「人の短を言う事なかれ」

今月の指針11月号「人の短を言う事なかれ」

 秋もだいぶ深まって、はや晩秋です。猛威を振るった酷暑が嘘のような寒気に、今夏の異常な暑さが懐かしく思えて妙な気分です。
芭蕉の句に、「物言えば 唇寒し秋の風」という人生訓を読み込んだ名句があります。これは、「人の短をいふ事なかれ 己が長をとく事なかれ」という「座右の銘」に添えられた有名な一句です。

 芭蕉は、自分の長所は極力口に出さず、他人の長所を見つける努力を惜しまなかったのです。これを弟子にも教えて門下の融和(ゆうわ)を図り、切磋琢磨する門弟の中から其角(きかく)や去来(きょらい)など蕉門十哲(しょうもんじってつ)と呼ばれる優秀な人材が輩出したのです。
お互いに悪口は厳しく封印し、和気藹々(わきあいあい)とした気風の中で不朽の名作が続々と誕生したのです。芭蕉ほどの俳聖が、常に心掛けた謙虚な姿勢に頭が下がります。

 翻って異体同心は、私達の信心修行の鉄則であり、広宣流布の要です。
大聖人は、『松野殿御返事』に、
「法華経を持つ者をば互ひに毀(そし)るべからざるか。其の故は法華経を持つ者は必ず皆仏なり。仏を毀りては罪を得るなり。」(新編1047頁)
と仰せになって、同志間の誹謗中傷を厳に誡められています。
謗法に匹敵する悪行だからです。日常生活にあって、ついうっかり陰口をたたいて後味の悪さを経験することは少なくありません。それが災いに発展し、鉄壁な団結が綻(ほころ)ぶこともあります。正に災いは口より出でて身をやぶるのです。

 清らかな信心で六根を磨けば、自ずと人の長所に目がいって相手を尊敬する心が芽生えます。そこに慢心のつけ入る隙はありません。
私達は、最高の信仰を持って折伏を行ずる地涌の眷属です。どこまでも相手の仏性を敬い、「謗法を憎んで人を憎まず」の精神を堅持して折伏に臨むことが大事です。

 今を去る690年前の11月15日。
垂井(たるい)の雪中に広布願業の魂を埋められた第三祖日目上人の壮絶な御最期を遥かに偲び、忍辱(にんにく)の衣を纏い、折伏逆化の菩薩行に更なる精進を重ねてまいりましょう。

清涼寺 寺報 「従藍而青」
今月の指針 指導教師 石橋頂道 御尊師
2023年11月1日号より

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