日蓮正宗美畑山清涼寺 千葉の清涼寺 法華講ホームページ 千葉県千葉市花見川区畑町

日蓮正宗美畑山清涼寺は、千葉県千葉市花見川区にある日蓮正宗の寺院です

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今月の指針4月号 「二辺の中には い(言)うべし 」

今月の指針4月号 「二辺の中には い(言)うべし 」

 四月は、立宗宣言の月。今から772年前の建長五年四月二十八日の朝まだき。清澄寺の嵩(かさ)が森に粛々と進み、その頂に決然と立たれた蓮長(日蓮大聖人)は、東方太平洋を望んで日の出を待ちました。
やがて遥か海上に旭日が輝き出でて走り抜けたその瞬間、蓮長は「南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経」と、雄渾な題目を宇宙法界に向かって朗々と唱え出だされたのです。

 果たしてこの題目こそ、末法万年の闇夜を照らす大光明、末代悪世の一切衆生の苦悩を断破する大良薬、古今未曾有独一本門の題目だったのです。

 これに先立つ約一か月前の三月二十二日から二十八日の早暁にかけて大聖人は、清澄寺の一室にこもり、今後一身を賭して題目を弘通する為の深い思索を重ねられました。もし一言でも唱え出せば、我が身に降りかかる大難は火を見るより明らかです。それに対する不退転の覚悟を固められた御内証の宗旨建立を経て、いよいよ四月二十八日の立宗宣言の第一声となったのです。

 それから二十年後、佐渡で著された『開目抄』に、この時の一大決意が披歴されています。即ち、
「日本国に此をしれる者、但日蓮一人なり。これを一言も申し出だすならば父母・兄弟・師匠に国主の王難必ず来たるべし。いわずば慈悲なきに に(似)たりと思惟(しゆい)するに、法華経・涅槃経等に此の二辺を合はせ見るに、いわずば今生は事なくとも、後生は必ず無間地獄に堕つべし。いうならば三障四魔必ず競ひ起こるべしとしりぬ。二辺の中にはいうべし。」(新編538頁)と。

示同凡夫・日蓮大聖人の心の葛藤が手に取るように拝せます。難を恐れ、反発に怯(ひる)めば、不知恩と無慈悲の誹りを避けることはできません。「言うか、言わないか」この二者択一を迫られた時、大聖人は「二辺の中には い(言)うべし」と決断されたのです。

 私達は、皆一様に「白烏の恩」によって妙法に巡り会った地涌の同志です。この世に充満する黒烏(謗法)の人々を折伏することが真の報恩です。遥か772年前における立宗宣言前夜の宗祖の御胸中に深く思いを馳せながら、難を恐れず、いよいよ地涌の使命に燃えて、折伏弘教の駒を進めてまいりたいものです。

清涼寺 寺報 「従藍而青」
今月の指針 指導教師 石橋頂道 御尊師
2024年4月1日号より

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