日蓮正宗美畑山清涼寺 千葉の清涼寺 法華講ホームページ 千葉県千葉市花見川区畑町

日蓮正宗美畑山清涼寺は、千葉県千葉市花見川区にある日蓮正宗の寺院です

〒262-0018 千葉県千葉市花見川区畑町2010番地 Tel.043-273-3987
今月の指針6月号 「南橘北枳(なんきつほっき)」

今月の指針6月号 「南橘北枳(なんきつほっき)」

 表題は、『南条兵衛七郎殿御書』にある、
「江南(こうなん)の橘(たちばな)の淮北(わいほく)にうつ(移)されてからたち(枳殻)となる」 (新編324頁)の内容を簡潔に表した四字熟語です。
中国の大河・揚子江の南に生育する高貴な橘も、気候風土が大きく異なる対岸の淮北に移植すれば、その実も食べられない枳(からたち)に変わる。人間が環境や境遇の違いによって大きく変化することを譬えた故事『淮南子』(えなんじ)の一つです。

 日蓮大聖人は、人の心は悪縁に弱く移ろい易いことを嘆き、
「すべて凡夫の菩提心は多く悪縁にたぼらかされ、事にふれて移り易き物なり」(『松野殿御返事』新編1049頁)と説き、
また『立正安国論』にも、 「人の心は時に随って移り、物の性は境に依って改まる」  (新編248頁) と指摘されています。
それにしても移り易きは人の心、凡夫の心ほど悪縁に弱くうつろい易いものはありません。

 さて今、時代は末代悪世。表面上は一見華やかでも一皮むけば貪瞋痴の三毒強盛、互いに相食む混濁した時が流れています。この濁悪の世を清く正しく、力強く生きるのは並大抵なことではありません。
だからこそ羅針盤の如き正しい宗教、由緒正しき信仰の実践が求められてくるのです。

 宿縁深厚にして文底下種本因妙の妙法に巡り会った私達は、日夜正しい御本尊に正対して信行を積むことができることに深く感謝しなければなりません。
どこまでも、水の流れるごとく倦(う)まず弛(たゆ)まず信心に励み、一念無明の迷心を磨き、仏界を湧現して常楽我浄の人生を生き抜くことが大事です。

 『一生成仏抄』に、
「深く信心を発こして、日夜朝暮に又懈(おこた)らず磨くべし。何様にしてか磨くべし。只南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを、是をみがくとは云ふなり」(新編46頁) と。
お互いに受け難き人界に生を受け、遇い難き妙法に巡り会った法華講の末裔(まつえい)です。
勤行・唱題の確実な実践で日々躍動し、互いに切磋琢磨(せっさたくま)して折伏のできる足腰の強い講中を築き上げましょう。六月末までには必ず100人の折伏を成し遂げ、広大深遠な仏恩に御報恩申し上げようではありませんか。

清涼寺 寺報 「従藍而青」
今月の指針 指導教師 石橋頂道 御尊師
2024年6月1日号より

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