日蓮正宗美畑山清涼寺 千葉の清涼寺 法華講ホームページ 千葉県千葉市花見川区畑町

日蓮正宗美畑山清涼寺は、千葉県千葉市花見川区にある日蓮正宗の寺院です

〒262-0018 千葉県千葉市花見川区畑町2010番地 Tel.043-273-3987
今月の指針 6月号「風こそ夜の窓をうつらめ 」

今月の指針 6月号「風こそ夜の窓をうつらめ 」

「おのづから よこしまに降る
雨はあらじ 風こそ夜の 
窓をう(打)つらめ」

 配流地・佐渡から鎌倉への帰途、駿河の三沢小次郎に日蓮大聖人が贈られた一首です。
本来 雨は、天から真っ直ぐ降ってくるもの、自ら横殴りに降ることはありません。にもかかわらず夜の窓を激しく打つのは、横殴りの風が吹くからです。

 私達の命は、善も悪も両方具えた善悪不二の命です。
その命が濁り、三毒に犯されて苦悩に喘(あえ)ぐのは、過去の罪障や誤った宗教や思想などの悪縁によるからです。

 人の命は善か悪か。これは人類永遠のテーマです。
性善説に対して性悪説は、人間は放っておくと何をするかわからない存在、だから法律や規則が必要だと説きます。
口約束など信用されない欧米社会では、まず契約です。
キリスト教の原罪をもととする性悪説が社会の根底にあるからでしょう。神との約束を守ってこそ人間は救われると説いています。

 これに対して、善悪無記(むき)を説く仏教は、縁というキッカケが善悪の分岐点、だから縁を大事にするのです。
人の命は、地獄から仏界までの十界が具わった一念三千の当体です。そのうちどの命が顕れるか、それは善悪様々な縁によります。
いずれにしても、仏界の具わった命は、かけがえのない無上の財です。
悪縁に紛動されず、宿業に押し流されない不動の境界を確かなものにするには、無上の縁が欠かせません。
それが久遠元初本因妙の南無妙法蓮華経の題目です。

 その根源を日蓮大聖人は、御本仏の立場から三大秘法の大御本尊として建立されました。
今 時代は、五濁渦巻く末法です。この御本尊を信仰の対象として勤行・唱題に励む以外に真の成仏の道はありません。

 ところで冒頭の和歌を賜った三沢小次郎は、この時、何らかの困難に直面して窮地(きゅうち)に追い込まれていたのかもしれません。
大聖人は、謗法と悪縁を風、人の命を雨に譬えて、悪縁に負けない純粋な信心を貫いて難を乗り越えろ!と激励されたのです。

 翻(ひるがえ)って清涼寺は、広布を目指す私達の蘭室(らんしつ)であり、麻畝の性(まほのしょう)に他なりません。
そこを信心練磨の道場として蘭室の友が集い、声を掛け合い、折伏に躍動する。
法華講の使命を果たすとは、そうした麗しい異体同心の躍動の中にあることを肝に銘じ、更なる精進を誓い合いましょう。

清涼寺 寺報 「従藍而青」
今月の指針 指導教師 石橋頂道 御尊師
2023年6月1日号より

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